妊婦の喫煙で胎児のDNAに悪影響

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3月31日、米国で6000組以上の母子を対象とした大規模調査の結果に基づく研究論文が発表され、妊婦の喫煙が発育中の胎児のDNAに科学的な変化を起こすことが確認されました。これらの変化が「疾病リスクの増加に実際に関与しているかどうかは判断できない」(マイケル・カウリー米ノースカロライナ州立大学助教)ようですが、変化した部位は6703か所にのぼり、その一部は「肺や神経系の発達、喫煙に関連するがん、口唇裂、口蓋裂などの出生異常などに関連する遺伝子」の変化だと指摘されています(米国立環境衛生科学研究所の疫学研究者ボニー・ジュバート博士)。(1)

妊婦の喫煙に関しては、1月にも環境省の9000人以上の子供を対象とした調査結果が発表され、生まれてくる子供が低体重になることも確認されました。出生体重の少なさは「将来的に肥満や心臓病のリスク」を高めるといいます(山県然太郎山梨大学教授)。(2)

妊婦の喫煙、飲酒が胎児に与える悪影響は、これまでにも様々な形で警告されてきましたが、これらの大規模調査の結果によって、それが改めて裏付けられた形です。特に、喫煙に関しては、受動喫煙の問題もあるため、妊婦の喫煙のみならず、乳幼児期の両親の喫煙が様々な疾病のリスクを増加させると言われています。特に、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生率は、両親が喫煙している場合に、喫煙していない場合と比べて4.7倍もの開きがあります(3)。

一方、妊娠中のアルコール被爆は、流産、死産、先天異常を生じさせ、妊娠初期(器官形成期)では「特異顔貌や種々の奇形が生じ、妊娠中後期では胎児発育遅延や中枢神経障害が」生じるとされています(4)。

子供は、親を選んで生まれてくることはできません。だからこそ、子供を生み出す可能性のある男女間の性行為には大きな責任が伴うことを、思春期以降の子供たちにはしっかりと教育すべきでしょう。少なくとも、自分をコントロールできない段階での性関係については、深く戒める必要があると思われます。純潔、貞操教育というのは死語になりつつありますが、男女の性、生命の誕生にまつわる神秘と責任は、しっかりと伝える必要がありそうです。
 
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(1)「胎児のDNA、妊婦の喫煙で変化 大規模調査で確認」. Yahoo ニュース(AFP=時事). Apr 1, 2016 JST11:07配信(2016年4月1日JST17:30閲覧)
(2)「妊婦の喫煙、子は低体重に 9千人調査で国内初確認」. 共同通信47NEWS(Online). Jan.6 ,2016 JST19:38. (2016年4月1日JST17:29閲覧)

(3)中村靖.「『にんぷの絶対禁煙!のススメ』の巻」. プレママタウン(Online). Mar, 2007. (2016年4月1日 JST21:19閲覧)

(4)佐合治彦.「飲酒、喫煙と先天異常」. 公益社団法人日本産婦人科医会HP. Sep, 2012.(2016年4月1日JST21:09 閲覧)

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Posted by k. ogasawara


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