児童虐待、児童ポルノ被害が過去最悪に
9月21日、警察庁が「平成29年度上半期における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」についてまとめた資料を発表しました。今年上半期(1~6月)の児童虐待通告人数、児童ポルノ摘発件数が過去最多を更新する一方、刑法犯で摘発された少年の人数は過去最少となっています。
警察庁「平成29年上半期における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」2017(h29)年9月21日
児童虐待通告人数が初の3万人超え
児童虐待の疑いがあるとして、警察から児童相談所に通告した子供(18歳未満)の数は、今年上半期で3万262人と過去最多を更新しました。通告の内容では「面前DV」など「心理的虐待」が全体の約7割を占めています。虐待の種類別の人数および前年比の増減は以下の通り。
上半期の統計を開始した2011年度から6年連続の増加となります。摘発件数も511件と二年続けて500件を超えており、10年前(2007年上半期174件)の約3倍、死亡した児童の数は、無理心中7人を含めて27人(前年同期比4人減)となりました。生命の危険があるなどの理由で保護された子供も5年連続で増加、前年同期比15.2%増の1787人となっています。
通告件数が増えた要因としては、「児童相談所への相談件数」増と同じく社会の児童虐待に対する意識の高まりが挙げられています。また、昨年4月、警察庁が全国の警察本部に向けて児童相談所への積極的な通告を指示する通達を出したことも通告件数を押し上げた一因と見られています。いずれにせよ、虐待の深刻な状況には変わりありません。
児童ポルノ摘発数、過去最悪に
児童ポルノ事件で摘発された件数も前年比で12.1%増の1142件となり、過去最悪の水準となりました。事件の検挙を通じて新たに特定された被害児童の数も594人となり、過去最高となった昨年上半期(777人)からは減少したものの、過去2番目の多さとなっています。
被害児童の年代別では小学生が17.5%、中学生が39.2%、高校生が36.9%、性別では9割近くが女児(514人)ですが、男児も80名となり、平成20年上半期の7人から10倍以上に増えています。
被害の内容としては、女児らにスマートフォンで自分の裸を撮影させて画像を送信させる「自画撮り」の被害が増加しており、44.3%と全体の半数近くを占めました。
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