若者の結婚願望が急落!

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少子化、人口減少が国家的な課題となり、特に、その要因となっている若者の非婚化、晩婚化の解決に向けて、婚活イベントの開催や結婚、子育てしやすい環境づくりなど、官民挙げて様々な取り組みが展開されています。

ただ、それらの取り組みも、若者の側に結婚意欲があってこそなのですが、その肝心の若者の結婚に対する関心や意欲そのものが急激に低下していることが明らかになりました。明治安田生活福祉研究所が発表した『20~40代の恋愛と結婚-第9回結婚・出産に関する調査より―』から、主な内容を取り上げてみましょう。

『20~40代の恋愛と結婚-第9回結婚・出産に関する調査より―』. 明治安田生活福祉研究所. Jun 20, 2016
 
 
結婚願望を持つ20代男性は4割以下!

まず、20代男女の結婚願望の急激な落ち込みが目を引きます。2013年から2016年という、わずか3年の間に「早く結婚したい」「いずれ結婚したい」と思う割合が、男性では67.1%から38.7%に、女性では82.2%から59%に、それぞれ低下したのです。特に男性は、4割を切るという、考えられない低水準です。

若者の結婚願望の低下

よく、若者が結婚できない理由として、非正規雇用の増加など、経済的要因が挙げられますが、この3年間で若者の雇用状況が極端に悪化したわけではなく(むしろ新卒の求人状況は好調)、これだけの意識の変化には、何かしら別の要因も働いていると考えざるを得ません。

そのことは「婚活をしない理由」にも表れています。複数回答のなかで「結婚に興味がないから」と答えた割合が、20~40代の合計で、男性は、54.8%、女性も50.9%と過半数を超えました。これも2013年調査(男性38.2%、女性31.3%)から急増しています。経済や雇用などの環境面だけでなく、意識や価値観のレベルで、結婚に対する関心、興味自体が急速に低下しているのです。
 
 
結婚するよりも自由でいたい

20代、30代の男女の独身でいる理由も見ておきましょう。複数選択が可能になっており「特に理由はない」が男女ともに高く、20代に関しては「まだ若すぎる」も2割近くあります。

それ以外で見ると、男女の間でトップが異なります。男性は「家族を養うほどの収入がない」、女性は「結婚したいと思える相手がいない」で、どちらも27.2%です。男女平等が叫ばれてはいますが、やはり、家計を支える上でのプレッシャーは、男性により大きくかかっているようです。気になるのは、それ以外で15%~20%前後に並ぶ項目です。

男女ともに、独身の方が「精神的に自由でいられる」(男16%、女19.7%)、「時間的に自由がきく」(男14.2%、女18.3%)という理由を挙げ、男性は、それに「経済的に自由がきく」(16.2%)が加わります。更に20代に限ると「仕事(学業)に打ち込みたい。仕事が楽しい」(男15.3%、女19.7%)も高い水準となっており、結婚して家庭を持つことよりも、自由や自己実現を価値視する人が多いことがわかります。

2016-07-23
(上記レポートのデータをもとに筆者作成)

一方で、30代、40代の既婚男女の8割以上は「結婚してよかったと思う」と答えており、その他、結婚のコストパフォーマンスについて尋ねた結果などを見ても、独身の男女は、既婚者に比べて、結婚の価値を低く評価する傾向があるようです。この「結婚に対する評価の低さ」を改善しない限り、非婚化、晩婚化問題を解決することはできないでしょう。

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Posted by k. ogasawara


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